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寒い!
by 札幌窓辺のねこ
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ふとした事で、自分の井の中の蛙度合いを思い知らされる。
実は、7月10日、北海道警察に行ってきた。
別に何かトラブルがあったとかという事ではなく、
“民間人の為の警察通訳研修会”に参加する為である。
もう結構前の事なのだが、ポルトガル語の先生が、
“警察でフランス語ができる人を探しているのだけれど、貴女、大丈夫ね?”とか言われて、
うっかり“はい”と返事をしてしまっていたのだった・・・・。
(注;先生はスペイン語とフランス語もおできになる。)
半分は冗談かと思っていたのだが、きっちり後程警察から電話が掛かってきた・・・・。
しかも、数度・・・・。
その電話の内容は、この研修会の案内だったのだが、
毎回、多忙を理由に断っていた。
事実、多忙だ。それに、自分の仏語の能力が現場で使い物になる程のレベルとも思わない。
(現場の状況は先生やプロの通訳の友人から聞かされていた。)
(札幌での仏語圏の人物による犯罪は、アフリカ人の不法滞在・不法就労が多い。)
だが、将来を案ずる両親の強い勧めで、今回、初めて行ってみる事にした。
その前に警察の人と電話。
“研修って仏語の専門用語の勉強とかなのですか?”
“いえ、語学的なものではなく、通訳の仕事の流れについてです”
“・・・随分前に仏検2級は取ったのですが、そんな程度で使い物になるのでしょうか?”
“部署内の者は2級を持っているのですが、それでちゃんと仕事しています”
えーっ?2級レベルで大丈夫なの?本当かなぁ・・・・。
まあ、文法的にはそれで良くでも、専門用語は各自しっかりこれから勉強して下さい、
という事なのだろう・・・・。



初めて踏み入る、道警のビル。立派だ。
ふ~ん、これが皆の税金で建てられたのか。ちょっと立派過ぎではないか?
高速エレベーターですいっと13階まで上がる。
受付で名前の入った大きな封筒を渡され、ばっちり“フランス語”と書かれた席に案内される。
え?こんな感じなの?
各言語平均二名ずつがコの字にテーブルに着く。
勿論、隣も仏語の若い男性。
右手端にはペルシャ語の男性一人。
その隣のインド系っぽい男性はベンガル語だったかな?
向かいにはベトナム語の男女三人。
スカーフを纏ったイスラム圏の女性も居る。
ポルトガル語の人も二人居るが、おそらくブラジル絡みだろう。
タガログ語って、えーと、フィリピンだったっけ?
え?シンハラ語?・・・・それって何処???
つまり、その会場大会議室は妙なコスモポリタンだった。
外国語(しかも今日はどうやらどちらかと言うとマイナー言語?)ができる日本人、
日本語がぺらぺらな外国人がごちゃ混ぜ。

そして日本語で進行される研修の内容は。
通訳としての心構え、逮捕・取調べの流れについて等等、
当然ながらシビア。
当然なのだ、犯罪なのだから・・・・。
気軽に受けてしまったこちらとしては心構えも全く無く、結構ヘヴィだった・・・。
通訳料は、大学非常勤講師の時給よりも随分高い。
だが、これは引き受ける人はそう居ないだろう。
犯罪は何時発生するか分からない。どれだけ時間を拘束されるか分からない。
人と人との間に立って、精神的にも重労働だ。
危険が伴わないと断言はできない。
自分より仏語の能力が高い人はこの札幌にも沢山居るはずだが、
そんな大変な事にわざわざ首を突っ込みたくないと思う人が多いのだろう。当然だ。
自分だって、果たしてもし警察から突然電話が掛かって来て、
行けるだろうか?・・・・否、まず無理だろうな、時間的に。
そして、もしやり繰りすればなんとかなりそうなスケジュールだったとしても、
“行かなくて済むなら行きたくない”と思うだろう。
それ程勇敢で立派な人間ではないもので。
そして勇敢で立派な先生や通訳の友人を偉いと思う。
そしてそんな自分を小さいとも、思う。

ふとした事で、自分の井の中の蛙度合いを思い知らされる。_d0032633_45193.gif後に調べてみたのだが、シンハラ語とは、スリランカの公用語。←左はスリランカ国旗。
ベンガル語というのはバングラディシュの国語でインドの西ベンガル州とトリプラ州の公用語。アッサム州でも若干。
ペルシャ語はイランの公用語、その他タジキスタン・アフガニスタン・グルジアおよびインドの一部やパキスタンの一部でも使われる。
因みにアラビア語は、中東の多くの国々で使われる;
アルジェリア、バーレーン、エジプト、ガザ地区、イラク、イスラエル、ヨルダン、クウェート、レバノン、リビア、モーリタニア、モロッコ、オマーン、カタール、サウジアラビア、スーダン、シリア、チュニジア、アラブ首長国連邦、ヨルダン川西岸地区、イエメン。
以前、サウジアラビアからの留学生が言っていた。
“アラビアとペルシャは違うのだけれどな、日本人はよく混同しているよね”・・・・はい、確かにそうです。
・・・研修中、隣の隣のペルシャ語の男性はアラビア文字でメモを取っていた。
右から左へ流れるそれは、美しかった・・・・。

日々、外国と言えば英米で、外国語と言えば英語、という世の中の主流にうんざりし、
“どうしてその他にも素晴らしい沢山の国や言語があるのに、そちらには目が行かないのだろう”と
不満だらけの自分も、そう言っている割には、
シンハラ語が何処の言葉なのか知らなかったりする、
それもまた、自分を小さく思う、一因。
by micak | 2006-07-28 04:10 |
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