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寒い!
by 札幌窓辺のねこ
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Jean PatouのJOY。
d0032633_564772.jpg超久しぶりにこのeau de toiletteを身に付けた、
Jean Patouの“JOY”を。
フレグランスは好きで毎日付けるのだが、
普段日中はもっと軽い、爽やかな香りの物を使う。
特にこれから暑くなってくると一段と爽やか系。
湿度の高い、
そしてこってりした香水の香りが苦手な人の多い日本では
その方が適切だと思うし。
なので、持っていても殆ど出番無く、
埃を被っている濃い系フレグランス瓶が幾つか在る・・・・。
このeau de toiletteは昔、欧州へ行った叔父さんから土産で頂いたのだった。
頂いたと言っても、個人的にではなく、
叔父さんが適当に買っておいた“皆向け”土産が
適当に巡回・配分されただけである。
それはまだ香水を使いこなすには未熟な学生の頃だったので、
(しかもよりによって大人・ゴージャスを代表する様な香り!)
初めに嗅いでみて“あ、こりゃダメ!”と思い、
以来殆ど使う事は無かった。
ただ一度、デートの際に背伸びして使ってみた所、
彼に“素敵な香りだね、何の香水?”と言われた事だけは覚えている。
くれた叔父さんも言った彼も全く記憶に残っていないだろうが。
そんなeau de toilette、心配しつつ瓶の埃を払って開けてみると、
相変わらずちゃんとゴージャスな香りがした・・・・当たり前か・・・・。
そしてその場には不似合いと理解しつつも敢えて付けた。
2年半の闘病生活の後、一昨日他界した叔父さんの葬儀に。



母のすぐ下の妹の旦那さんだった。
母はその叔母ととても仲が良く、
二人の従姉妹達とも馬が合ったので幼い頃はよく交流していた。
叔父さんはハンサムでリッチだった。
そのリッチさや、
全く洒落気の無い父と異なり、お洒落な叔父さんを
幼いながらも羨ましく思う事もあった。
ところがハンサムでリッチな人には誘惑も多いという事なのだろうか、
その後は転落と没落が待っていた・・・・。
幸い従姉妹達も既に大人になってからの事だったのだが、
高級住宅街の家も手放し、借金で首が回らない日々。
離婚しても良かったのだろうが、
従順で純真な叔母さんは耐えた。
気の毒だった。
叔父さんを恨んだ。
ようやく借金も片付き、質素ながらも静かな老後を過ごせるだろうという時に、
癌が見つかった。
終わらない叔母さんの苦労。
そして最近、末期癌の患者を受け入れるホスピスに移ったのだった。
そのホスピスは丁度通勤路上にあったので、
仕事の帰りに毎週寄った。
叔父さんの為にと言うより、大好きな叔母さんの為に。
叔父さんは喜んでくれた、涙を流して。
殆ど見舞い客も居ない様子で、寂しかったのだろう。
夕方遅い時間だったので、いつも叔母さんとは行き違いだったのだが。
この前の火曜日は違った。
それまでよりも具合が悪そうだった。
叔母さんが泊り込む為に、居た。
それまでは小さな声ながらも発して喋っていたのだが、
その声も出ない。
転移した癌の痛みが酷いらしく、“痛い、痛い”と唇で訴える。
体温も血圧も低い。
“明日はいいから、今夜だけは泊まっていってくれ”と叔母さんは頼まれたという。
危ないかも知れない。
だが、今までも危篤状態は何度かあり、その都度乗り越えてきた。

水曜の昼前、叔母さんから電話が入った。
遂に逝った、と。
直前には声にならぬ声で叔母さんの名を呼び、
色々喋ったらしい。
恐らく“すまなかった、許してくれ”と。
自らの不祥事で叔母さんを長年に渡って苦しめたような人でも
果たして許されるのだろうか?
根からの悪党ではなかったと思っている。
ただ少し誘惑に弱かっただけ、と思いたい。
我が家の改築の時には随分手伝ってくれたし、
孫達にとってはとても良いお祖父ちゃんだったし。
生前最期に見た時も叔父さんは涙を流していた。
それが痛さによるものなのか、
感情の高ぶりによるものなのかは定かではないが、
骸骨の如くやせ衰えた頬を伝う涙の透明な美しさが
許された証の様にも見えた。
もういいじゃないか。
よく頑張った。

もの凄く良い天気の日だった。
葬儀場へ向かう車窓から満開のライラックの花があちこちに見られた。
花が余りにむっちり付いているので、
重さでお辞儀を余儀無くされている枝もしばしば見受けられる。
今は丁度ライラック祭りが開催されているのだが、
例年ライラックの開花はもう少し遅い事が多く、祭り期間とはよくずれる。
だが今年は桜に引き続き、ライラックも開花が早い。
眩しい日差し、透明な空気、淡い緑、漂うライラックの香り。
本当に良い季節だ。
そんな良い日に叔父さんは逝った。
一転、葬儀の今日は久しぶりの雨。
人々の黒い服、傘、黒い靴を濡らす雨、涙・・・・。
重苦しい灰色の風景がまるで誰かの絵画の様だ。
焼き場には行かず、一人雨の中、帰路の車を飛ばす。
そう、雨が洗い流してくれるだろう。
そして植えられたばかりの苗達はこの雨でしっかりと定着し、
すくすくと伸びていくだろう。

流石Jean Patou。
夕方になっても香りが消えない。
それに、トップ・ノートはかなりヴォリュームがある感じだが、
残り香は中々軽いながらも印象的でとても宜しい。
それに、ゴージャスと言っても、
色気過多なわけではない。
エレガントな大人の女性の品位ある肌触りの良いアルトの声の様な、
響きのある香り・・・・。
やはりこの香りが似合うにはもっと大人度が上がらなくてはならないのだろうが、
少なくとも貰った当初よりは幾分マシなはず。
これを機会に、埃が積もるままにしておくのではなく、
夜の外出には使う事にしよう。
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by micak | 2009-05-22 23:49 |
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