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寒い!
by 札幌窓辺のねこ
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何故、葡萄牙? Vol.2
リスボン空港に降り立ち、ホテルへ向かうタクシーの中で。
既に空港で食べたポルトガル料理と珈琲でかなり幸せだったのだが。
車窓から見える建物の窓の装飾が美しい。
暗い中見えぬはずの木々の緑が多分美しい。
窓から流れ込む寒くない風が甘い。
幸福感に全身が満たされていく。
嗚呼、これだ、と思う。
やはり大好きなのだ、ポルトガルが!



そして数日後、いよいよ海へ向かうタクシーの中に居た。
残念ながら滞在するのはサンタ・クルスではない。
もう少し北のPorto Novoビーチのリゾート・ホテルである。
エステ、プール、乗馬というのに惹かれてそこに決めたのだった。
サンタ・クルスには乗馬もエステもできる様なホテルは無かったのだ。
そこへは何の公共交通機関も無かったので、カーニヴァルを楽しんだTorres Vedrasからタクシーに乗った。
若干風が強いが天気の良い午後。
Torresの郊外を過ぎ、幾つかの林を過ぎ、なだらかな丘を越えた瞬間、海が見えた。
真っ青な空の下、碧の海と明るい黄土色の砂浜。
タクシーの運転手が自慢気に
“どうだい、綺麗だろ?”と言う。
黙って頷くしか、無い。
ホテルは美しい小さな湾の崖の上にあった。
d0032633_6185028.jpg

割り増しで海側の部屋を取ったのだが、それは正しかった。
眼下にはそれはもう見事な景色が広がる。
湾は美しい砂浜のビーチを伴って優雅な曲線を描く。
あちらには巨大な奇岩が横たわり、それによって風光明媚となっている。
d0032633_6121812.jpg

風が強いので波は結構高い。
美しい形の波が次から次へと押し寄せる、ドーン、ザザザと歌いながら。
テラスで海を眺めるのに相応しいBGMは?と、メディア・プレーヤーで探すも。
此処はロカ岬ではないからマドレデウス“O Mar”は合わないし(それは暗過ぎる)、
ヴェネツィアではないからマーラーの“アダージェット”も合わないし(凪ではないから)、
ドーヴィルではないからフランシス・レイの“男と女”も合わないし(寒い海ではないから)、
フロリダではないからアナンダ・プロジェクトの“Justice, Mercy”も合わないし(夏の夕暮れではないから)、
幻覚中ではないからジョニー・コンクエストのナゾの最終トラックも合わない(波の音が被るから)。
つまり、何の音楽も必要無いという事だった。
ただ、波の音を聴け、という事だった・・・。

その後、崖を降りる遊歩道を伝って誰も居ない美しいビーチに降りてみた。
d0032633_617231.jpg

何故こんなに良い波なのに、サーファーが居ないのだろう?
一人、処女砂に足跡を残しながら波打ち際を歩く。陽光眩しく、サングラスが欲しい。まるで映画の一シーンを演じている気分だ。
その大きな巨岩には、よくある様に聖母マリアが祭られている。
と、突如分かった気がした。
・・・・今まで、散々理屈らしきものを述べてきた。
檀が何故サンタ・クルスに住み付いたのか。
モラエス絡みだったとしても、モラエスがサンタ・クルス生まれな訳でもない。
いや、もうそんな事はどうでもいい。
檀が此処を気に入った訳。
理屈ではない。それは単にこのビーチがあまりに美しかったからだ。
日本にも美しい海岸線はいくつも在る。
だが、こんな空や海の色、砂、波の形、音、そしてその波は“地の果て”に打ち寄せる・・・・
そんな海は日本にも、何処にも無いのだ。
ビアリッツもサン・セバスチャンも美しい。
マルタ島やマジョルカ島でも美しい海は見た。
だが何と言ってもそれらの海は“地の果て”の海ではない・・・・。

日没はホテルのプールから見た。
勿論、真っ赤な夕日が刻々と“落ちて”いく様は劇的で、わざわざ鑑賞するに値する。
そしてその夜、波の音を子守唄に眠るのはなんと心地良かった事か!
(翌日は風が無かったので波も穏やかになってしまった。)
オフ・シーズンなのでホテルは空いていた。
部屋を出る時、掃除の女性がオイルヒーターを持ってきた。
十二分に暖かい(昼間は外気は20度近い)しホテル内の室温も充分なのに、?と思うと、
おずおずと“寒かったらお困りだろうと思って”と言う。
“此処は夜はそんなに冷えるの?”と尋ねると
“ええ、まあ”と微妙な表情。
折角だから、窓際に置いてもらう。
ハーフペンションの夕食にはデザートが含まれていないのだが、
“デザートおまけしておきますよ”とウェイトレスが言ってくれる。
檀一雄も褒める、ポルトガルの美味しい果物をデザートバイキングのテーブルから取る。

ポルトガルの有名なイメージに、見事に干された洗濯物、というのもあるが。
d0032633_6153233.jpg

彼女達は実際、今でも働き者らしい。
掃除や洗濯をきっちりする。
イタリアやフランスやスペインを旅してみて、ポルトガルが一番ホテルの部屋の掃除がきちんとなされている様だ。
朝遅くにホテルの部屋を出る時、彼女達が掃除をしている姿をよく見掛けるが、
二人で大きなベッドの寝具を取替えたりすのも、
陽気にお喋りしながら、元気良くテキパキとやっている。清清しい光景だ。
豪華な宿でなくても、きっちり磨き上げられた洗面台だったりすると、居心地がとても良いのは当然だ。
街中、住宅街を歩いていても、女性達が必ず掃除をしている光景を目にする。

リスボンには様々なレストランがあり、食べ歩きが楽しい。
何時の頃からか、行き着けの食堂というのができた。
家族で経営している小さな安食堂である。
メニューは手書き、テーブルクロスは紙、スープの入れ物はアルミのボウル、といった店。
まあ、基本安くて美味しいので通うのだが。
今回しみじみと店内を見回してみて、再認識した。
何故、此処が気に入ったのか。
ただ安くて美味しいからだけではない。
実は建物が良かったのだ。
古いと言っても昔の城や修道院という訳ではなく、
せいぜい80年位なのだろうが。
店は奥に細長い造りなのだが、天井が高いので圧迫感が無い。
その高い天井には羽根の大きな昔の扇風機。
漆喰の白壁にはノスタルジックなコート掛け。
カフェやバーのカウンターを仏語では“zinc”と言うが、これはそもそも亜鉛めっき板を指す。
その昔ながらの背の高いカウンターもまた、ぴかぴかに磨き上げられていて、
常連の地元のおじさん達が店の人とお喋りしながら飲み食いしている。
つまり、よく見るとこの店は戦前のモノクロの映画にでも登場しそうな、
そんな雰囲気を持っていたのだ。
なので、自然とこの店に足が向いていたのだった。
ふらり立ち寄ると、一人で客を捌いている彼は空いている限り、何時も同じテーブルに案内してくれる。
訪れるのが連日であったり2年に一度であったりする気紛れなこの客に、
彼は特に何も言わず、いつもの様にただ淡々とサーブするだけだ。
そんな風に、視線で会話ができるのが何気に嬉しい。
今回は2年振りに訪れたのだが、彼のメタボが進行しているらしいのが結構心配。

カフェ・スイサの裏側のすぐ前に、種屋があった。
何故こんな街のど真ん中に種屋?と思うが、とりあえず古い店構えで昔からずっとそこに在るのだ。
コウヴィ・ポルトゲーザの種を求めに入った事がある。
コウヴィというのはつまりケール、結球しないキャベツの原種でポルトガル料理によく使われる。
狭い店内は天井までびっしり種、種、種・・・。勿論、球根や園芸グッズも扱っているが。
その棚の前で老人が客の相手をしている。
客は園芸相談に訪れた地元のマダムとか、ただ挨拶しに来た同じ商店街のおじさんとか。
そこでコウヴィの種を求め、家の庭で栽培した。
今回、再び種を購入しようと思ったら、店は閉店していた・・・・。
閉ざされた扉には張り紙。
あの老人は亡くなったのだろうか、きっとそうだ、かなりの歳らしかったから・・・。
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by micak | 2008-02-25 06:20 | 旅行・地域
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