人気ブログランキング | 話題のタグを見る
トップ

寒い!
by 札幌窓辺のねこ
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
Masseria Ruòtoloでのスローな休日②。【到着、第一日目】
Masseria Ruòtoloでのスローな休日②。【到着、第一日目】_d0032633_445950.gif①はコチラ
色々あった楽しいローマを後に、テルミニ駅でBari行きの列車を待つ。
ローマの知人に電話したり、クリスマス休暇で忙しいそうな・或いは物語りがありそうな人々を観察したり、
新しい駅ショップを覗いたりは楽しくて良いのだが。
イタリア国鉄お得意、ritardo(遅れ)である。
こちらはBariで更にローカル線に乗り継ぎしなければならないので、多いに困る。
だが、じたばたしても仕方が無いので、とりあえず大人しくBari行きに乗る。
・・・やはり、乗り継ぎ予定の電車には間に合わなかった。
駅員に尋ねても、“1時間後の次のに乗るしか無いね”と顔色一つ変えずに言い放つ。
1時間待っていたら、夜も遅くなってしまう。夕食に遅れてしまうではないか!
そこで、遅れる旨をMasseria Ruòtoloに駅ホームから電話した。



電話に出たのは、宿のマダムらしかった。
・・・・サイトには英語の頁もあったので、向こうは英語ができるのだと思っていたのだが。
マダムには、こちらが今夜から泊まる予約をしてある者だという事しか分かってもらえなかった。
つまり、英語が殆ど通じない、という事だ・・・・・!
困った。こちらの伊語はNHKのラジオ講座でちょっぴり独学した程度の、幼稚園レベルだ。
しかも、対面であるなら何とか会話が成り立っても、今は電話だ。
“列車が遅れた。今、Bari駅に居る。遅くなったが、バスで行く。”と言ってみる。
必死だったので、かなり大声だったろうし、ジェスチャーも入っていたと思われる。
・・・もしこれが日本なのだったら結構恥ずかしい事だったのだろうが、幸い此処は南伊、
大声ジェスチャー付きで話すのは当たり前な土地柄、人が何していようと気にしない土地柄。
受話器の向こうでも恐らく必死、大声でゆっくり話してくれる。間違いなく、ジェスチャー付きで。
“うーん、困ったわねぇ・・・・”(何やら皆で相談している模様。)
“主人を迎えにやるから、そこで待っていて、この時間になってしまうと、バスは大変だから”
大変だからと言うか、既にその時間にはバスの運行は終了していたのかもしれない、
Masseria Ruòtoloが在るのは田舎だから。
“それは大変有り難いのですけれど・・・・”
“主人はね、ルチアーノって言うの”
名前を教えてくれてもなぁ・・・・あまり役に立ちそうにないのだけれど。
“名前の入ったスタッフ用ジャンパーを着ているから、それから、車は白のパジェロ・・・・
パジェロは知っているわね?日本の車だから”
“ええ、勿論知っています!”
“ところで貴女、チェルラール持っている?”
“チェ?チェルラール???”
一瞬目が白黒。でも、すぐにセルラー(携帯電話)の事だと気付く。
“いいえ、持っていません”
“あら、困ったわね・・・”(再び皆で相談している模様。)
“何とかなるでしょ・・・・駅の中央入り口の前に居てね、あと20分位で主人がそちらに着くから”
“有難うございます”
“いい?白のパジェロよ!ちゃんとルチアーノって名前の確認もしてね”
確かにここはイタリアである。ただ歩いていても色々な意味で危険な国である。
見知らぬ夜の駅で見知らぬ人を待つというのは、賢い方法とは言えない。が、ここは仕方が無い。
人が多い駅入り口の傍ではなく、駅前広場の島状の車乗り場の中央辺りに構えて360度見張る。
此処なら誰からも見えて、こちらからも駅に出入りする全ての車が見える。
待つ事約20分。勿論、心細かった。
果たして彼はちゃんと来てくれるのだろうか?
待つ場所は此処で良いのだろうか?
彼は見つけてくれるだろうか?
変な輩が接近して来ないだろうか?
目の前で家族や友人にピックアップされていく人々が羨ましかった。
が、程なく白いパジェロが現れる。
“ルチアーノ?”
“Si”
意外とあっさり出会えたものだ・・・・。
握手をする。彼が荷物を積んでくれる。
クリスマスイルミネーションの美しいBariの街中を走り抜けながら、話をする。
英語で話そうとすると、
“君もイタリア語が多少なりとも分かるなら、ゆっくりでいいからイタリア語で話して”
と言われてしまう。
何の仕事をしているとか。サッポロとはどんな街なのかとか。
どうやってMasseria Ruòtoloを知ったのかとか。
ルチアーノは地元の観光ガイドの資格も持っているのだそうだ。
近くにはマテーラとかアルベロベッロとか観光スポットが幾つもあるとか。
マテーラはメル・ギブソンが監督した映画“パッション”の舞台になったのだとか(知らなかった!有難う、ルチアーノ!後にマテーラを訪れ、大層感動したのは言うまでも無い)。
真冬には田舎の道は時々凍ったり、雪が降る事もあるので、パジェロに乗っているとか。
程なく車は郊外へ出、明らかに田舎な雰囲気(当然、暗くて周囲は見えていない)。
“部屋へ案内する前に、敷地を紹介しよう”
と畦道に入って行く(畦道!なる程、これならパジェロも必要だ)が、施設を自慢したい気持ちは分からないでもないが、
どうやら相当広いらしいという事しか分からないよ、ルチアーノ!
母屋で軽くスタッフや彼の家族(奥さん、娘達)に会い、
別棟の部屋にやっと案内される。
ここは幾つかの宿泊棟があり、食事の時は母屋のレストランに赴くというシステムだ。
通された宿泊棟は、一つの玄関と玄関ホールの両翼に一つづつ部屋があり、
その玄関が幾つか並ぶ平屋だった。
建物自体やホールはなかなか素敵な感じだが、
室内は至って素朴で、バスタブも無い。
二段ベッドも入っていて、4人まで泊まれるようになっているから、広い。
まあ、高級ホテルではなく、林間学校等に相応しい感じ。
実際、夏休み等には、子供の為の夏季乗馬スクールも展開しているらしい。
後から知ったが、ちょっとしたイベントができる結構人数の入るホールも、別棟にはある。
とりあえず、ざっと荷を開いて、夕食に出向く。わくわく。
Masseria Ruòtoloでのスローな休日②。【到着、第一日目】_d0032633_3522388.jpg
レストランには大きな暖炉があり、天井や壁には
昔の調理道具や狩道具(つまり銃とかも)等が所狭しと飾られていて、
テーブルにはキャンドル、素敵である。
Masseria Ruòtoloでのスローな休日②。【到着、第一日目】_d0032633_352456.jpg
美味しい食事がここの重要な売りポイントでもあるので、
宿泊しなくても、食事だけに訪れる客も少なくない。
テーブルに着くと、カメリエーレがやって来て、今日のメニューを説明しようとする。
ルチアーノがすぐやって来て、
“彼女はイタリア語は分かるから、ゆっくり話せば大丈夫だから”と言ってくれる。
メニューに入る前に、テーブルには美味しいアンティパストが数種並んでいて、
既にシアワセ状態・・・・。
今夜は野菜スープに鯛のズッキーニ挟み焼き、デザートには地物果物盛り合わせをチョイス。
嗚呼、今まで自分は何を食べてきたのか?と目が鼻が舌が胃が問う。
体内が浄化される感じの、自然の恵みの、美しい食べ物だ・・・
大満足の食事が終る頃、遠巻きに見ていたルチアーノの家族やスタッフ達が
どっと話し掛けてくる。
ルチアーノの妹夫婦も子連れで来ていて、賑やかだ。
その(一見きつそうな)妹さんが、テーブルの真正面に座り、まっすぐこちらの目を見つめて、
“一日の気温がずっと零度以下だなんて一体どんな感じなのか、聞かせて頂戴”と真顔で言う。
・・・・別に零度以下でも暖房行き届いているから全然大丈夫なのですけれど。
“確かスキーの大きな大会がサッポロであるはずだ、いつだったっけ?”
・・・・2007年だったはず?
“日本人ってイタリア語の発音が上手いよね、どうしてかな?”
・・・・日本語は母音が多いから、イタリア語の母音の多さに対応し易いのです。
“イタリアでは何処が好き?”
・・・・それはよく聞かれる質問だけれど、難しいです。ヴェネツィアもフィレンツェもシチリアも好き・・・・。
“英語とイタリア語以外には何語ができるの?”
・・・・仏語、葡語ちょっと、西・・・・と答え終わる前に、マダムが
“あら、私、仏語できるのよ!”
なんだ。
さっき駅で、あんなに苦労するまでもなかったという訳だ。さっさと仏語を使っていれば・・・・。
ともあれ、たった一人ではるばる馬乗る為にやって来た日本人に興味津々の彼等。
ルチアーノが話を切ってくれる。
“ところで、君はワインが好きそうだけれど、この辺では、食後のワインのつまみには、コレを食べるんだよ”
と、アーモンドを勧めてくれる。殻付きの、天然の、ここで採れた。
くるみ割りで割りながら食べるのだが、これがとても美味しい。初めての味だ。
Masseria Ruòtoloでのスローな休日②。【到着、第一日目】_d0032633_3511811.jpg
すっかり気に入ってしまった・・・・(このアーモンドについては以前、コチラで紹介)。
ルチアーノの妹さんの幼子もこのアーモンドが好きだったので、殻を割ってあげたりしながら、杯を重ねる。
食事は食べたい物をリクエストしてくれと言う。
自分の家に居る様に、寛いでくれと言う。
何でもスタッフに相談してくれと言う。
・・・求めていたのはコレではなかったのか?
暖かい暖炉を囲みながら、暖かい食事をしながら、暖かい人々と語り合う。
・・・こんなに歓待されて良いものか?
幸せ感に心地良く酔いながら、部屋へ戻って熟睡。
by micak | 2007-03-01 04:03 | 旅行・地域
<< 本日のワインvol.48。 ゴッホの足跡Ⅳ~La vie ... >>


Remarque!

★メインサイト、
Mica's Websiteはこちら!


UNICEF for Children;
Unite against AIDS Campaign

チームマイナス6%に参加しましょう!






Villarreal C.F.
Arsenal
Kimi
Stéphane
最新のトラックバック
ブログパーツ
  • このブログに掲載されている写真・画像・イラストを無断で使用することを禁じます。
ライフログ
カテゴリ
タグ
(104)
(85)
(85)
(67)
(60)
(45)
(42)
(41)
(35)
(34)
(33)
(28)
(27)
(25)
(23)
(18)
(17)
(14)
(12)
(11)
以前の記事
フォロー中のブログ
検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧